祭儀と注釈

神話がいかに平安期を通して注釈によって変容していったか?
注釈が新たに中世神話を創出し、王権-国家の起源を形成する歴史を読み解く。そして、それは中世独自の芸能世界の成立とも呼応する。

一九七〇年代、「未開」「原始」「古層」といった神話研究が学問の主流を占めていた中で、それまで重視されてこなかった中世の注釈類=「中世神話」の研究地平を切り拓いた先駆者、桜井好朗による記念碑的一冊。


目次

はじめに――中世における古代
I 王権-国家の神話と祭儀
一天孫降臨と大嘗祭
二大祓の基本的構造

II 儀礼国家の形成
一儀礼国家の神話的位相(その一)
二儀礼国家の神話的位相(その二)

III 注釈における中世の発現
一即位灌頂と神器
二 『中臣祓訓解』の世界

おわりに――王権伝承と芸能

あとがき

解説我流の霜月の踊舞(ノヴェムバー・ステップス) 星優也
著者 桜井好朗
出版元 法藏館
頁数 400頁
発行日 2023-11
ISBN13 9784831826572
ISBN10 483182657X

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