世界への信頼と希望、そして愛
〈この世界に信頼と希望、そして愛を抱いてもよいのだということ――アーレントが『活動的生』を通じて私たちに伝えようとしたのは、このあまりにも素朴な、しかしどこまでも力強い、たったひとつのメッセージである。...全体主義の時代を生きたアーレントこそ、まさにこうしたメッセージを切に求める者だったのではないか。否定されるべきものとして世界が眼前に現われる状況にあって、それでもなお、世界を否定し去ることができなかったアーレントこそ、まさにこうしたメッセージを誰よりも必要としていたのではないか〉
ここに鮮やかで瑞々しいハンナ・アーレント論が誕生した。26歳の著者は、アーレントの主著のひとつ『活動的生』(『人間の条件』ドイツ語版)を、「世界」概念を主軸として、「労働」「制作」「行為」「始まり」「出生」などのキーワードともども、「死」「可死性」「不死性」「記憶」「忘却」「過去」「痕跡」といった一連の視座から読み解き、アーレントの著作全体に連なる核心に近づいていく。膨大な注の書きぶりも併せ、ユニークで開かれた本書は、アーレントの思想をひとつのレンズとして、この世界を新たな目で眺めることをめざした試論=エッセイとなっている。
ここに鮮やかで瑞々しいハンナ・アーレント論が誕生した。26歳の著者は、アーレントの主著のひとつ『活動的生』(『人間の条件』ドイツ語版)を、「世界」概念を主軸として、「労働」「制作」「行為」「始まり」「出生」などのキーワードともども、「死」「可死性」「不死性」「記憶」「忘却」「過去」「痕跡」といった一連の視座から読み解き、アーレントの著作全体に連なる核心に近づいていく。膨大な注の書きぶりも併せ、ユニークで開かれた本書は、アーレントの思想をひとつのレンズとして、この世界を新たな目で眺めることをめざした試論=エッセイとなっている。
著者 | 林大地 |
出版元 | みすず書房 |
頁数 | 424頁 |
発行日 | 2023-12 |
ISBN13 | 9784622096665 |
ISBN10 | 4622096668 |