第二のオスマン帝国
オスマン帝国史研究の新視点を切り開いた、トルコの気鋭の歴史家バーキー・テズジャン(Baki Tezcan)によるThe Second Ottoman Empire: Political and Social Transformation in the Early Modern World(ケンブリッジ大学出版、2010年)の翻訳。
アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸を支配したオスマン帝国――、その存在は周知のことだろう。しかしながら、本書に冠された「第二の(Second)」とは一体何をさすのだろうか? 16世紀後半~17世紀前半、オスマン帝国は国制の大変革を経て、「第二帝国」(Second Empire)とも呼びうる姿へ変貌を遂げた。従来のオスマン史では、16世紀のスレイマン1世の時代が「黄金期」であり、その後は長期的な衰退の道を辿った...とされてきた。しかし、こうした衰退史観に対して、本書は丹念に史料を読み込み、とくに1622年のオスマン2世(位1618~22)の廃位と弑逆に注目しながら、帝国の変容過程を詳細に論じる。
帝国史上、始祖オスマンの名前をはじめてつけられた「第二のオスマン」、すなわちオスマン2世は、イェニチェリ軍団の反乱により若くして命を落とした。その背景には何があったのだろうか? 近世オスマン帝国の政治進化の姿――「市民」化するイェニチェリ、市場経済の発展とウラマーによる制限君主制の試み、民主化の胎動――、こうした社会経済的背景や政治的要因を、同時代の世界の動きにも目を配りつつ、解き明かしていく。
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〈目次〉
序論近世オスマン政治史
第1章単一市場、単一通貨、単一の法――市場社会と万民法の形成
第2章王位継承問題――法的監督のもとにおかれた王家
第3章宮廷の逆襲――オスマン帝国における絶対主義の形成
第4章二人目のオスマンによる新帝国形成――オスマン2世の時代(1618~22年)
第5章絶対王政の転覆――弑逆
第6章顕現する第二帝国――イェニチェリの時代
結論オスマン帝国の衰退と近世
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〈著者〉バーキー・テズジャン/カリフォルニア大学デイヴィス校教授
〈訳者〉前田弘毅/東京都立大学教授、佐々木紳/成蹊大学教授
アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸を支配したオスマン帝国――、その存在は周知のことだろう。しかしながら、本書に冠された「第二の(Second)」とは一体何をさすのだろうか? 16世紀後半~17世紀前半、オスマン帝国は国制の大変革を経て、「第二帝国」(Second Empire)とも呼びうる姿へ変貌を遂げた。従来のオスマン史では、16世紀のスレイマン1世の時代が「黄金期」であり、その後は長期的な衰退の道を辿った...とされてきた。しかし、こうした衰退史観に対して、本書は丹念に史料を読み込み、とくに1622年のオスマン2世(位1618~22)の廃位と弑逆に注目しながら、帝国の変容過程を詳細に論じる。
帝国史上、始祖オスマンの名前をはじめてつけられた「第二のオスマン」、すなわちオスマン2世は、イェニチェリ軍団の反乱により若くして命を落とした。その背景には何があったのだろうか? 近世オスマン帝国の政治進化の姿――「市民」化するイェニチェリ、市場経済の発展とウラマーによる制限君主制の試み、民主化の胎動――、こうした社会経済的背景や政治的要因を、同時代の世界の動きにも目を配りつつ、解き明かしていく。
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〈目次〉
序論近世オスマン政治史
第1章単一市場、単一通貨、単一の法――市場社会と万民法の形成
第2章王位継承問題――法的監督のもとにおかれた王家
第3章宮廷の逆襲――オスマン帝国における絶対主義の形成
第4章二人目のオスマンによる新帝国形成――オスマン2世の時代(1618~22年)
第5章絶対王政の転覆――弑逆
第6章顕現する第二帝国――イェニチェリの時代
結論オスマン帝国の衰退と近世
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〈著者〉バーキー・テズジャン/カリフォルニア大学デイヴィス校教授
〈訳者〉前田弘毅/東京都立大学教授、佐々木紳/成蹊大学教授
著者 | バーキー・テズジャン |
出版元 | 山川出版社 |
頁数 | 400頁 |
発行日 | 2024-04 |
ISBN13 | 9784634672567 |
ISBN10 | 4634672561 |