赤富士と応為、そしてボストンの男たち
幕末から明治初期、日本の混乱期に多くの文化財が流出した。そして世界に名を馳せた葛飾北斎の作品は高値で取引された。北斎の娘・応為は父に劣らず健筆を振るっていたが、女性絵師は認められることの無い時代であった。来日したアーネスト・フェノロサやエドワード・モース、ウィリアム・ビゲローの三人が買い集めた作品群の中には応為の作品も含まれていた...。一方、フェノロサの二人目の妻となったメアリーもまた、自身も成功した作家でありながら、女性であるがために正当な評価を得られずもがき苦しんでいる一人だった。亡霊となって復活し、父と自身の作品の行方を追う使命を担った応為は、次第にそんなメアリーに自分を重ねるようになる。自らの功績と歴史との折り合いをつけるため、応為が最終的に下した結論とは...。
著者 | キャサリン・ゴヴィエ |
出版元 | 彩流社 |
頁数 | 526頁 |
発行日 | 2025-04-25 |
ISBN13 | 9784779130472 |
ISBN10 | 4779130476 |