お知らせ
【What’s New!】週刊読書人2024年4月12日号
【特集】
森永卓郎インタビュー
日本のタブーに最後まで立ち向かう
『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(三五館シンシャ)刊行を機に
【本紙イントロより】
昨年末にステージ4のガンを公表した経済アナリストで獨協大学教授の森永卓郎氏の新刊『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(三五館シンシャ発行:フォレスト出版発売)が3月に刊行された。決死の覚悟で書き上げた本書についての意気込みと、3月18、19日の日銀政策決定会合の結果をめぐって森永氏にお話をうかがった。(編集部)
森永卓郎さんが昨年末に公表された、ご自身のステージ4のガンについて、Xでもしばらくトレンドに上がりましたし、その後もしばしばネットニュースなどで話題になったのでご存じの方は多いと思います。今回インタビューをしたのは3月の日銀政策決定会合の直後でしたが、Zoom越しの森永さんは非常にお元気そうな様子でした。
これまで、著書やテレビ、ラジオなどで社会に対して物申してきた森永さんですが、本書はそのどれとも異なり、日本のタブー中のタブーにメスを入れた形です。「ガンのこともあるし、いつ死ぬかわからないので、それなら死ぬ前に本当のことを言って死のう、と。「戦いながら死ぬぞ」という私の決意の表れです」。これは、本書の中でも特に異質な第3章「日航123便はなぜ墜落したのか」について語ったときに出た発言ですが、収録されたすべての章に対しても言えることだと思います。
本書がある意味、これまでの森永さんの総決算的な作品だと言える所以は、人生最大の後悔と書いた、意図せず小泉政権成立に加担してしまったこと。あるいは、本インタビュー中で「私の人生の中で一番の駄作」とおっしゃった、大幅改稿の憂き目あった青山透子著『日航123便の真実』の書評について書かれているからでしょう。こういった赤裸々な述懐も本書の読みどころの一つだと言えます。
本インタビューでは、前述の日銀政策決定会合、つまりマイナス金利解除などの大幅な政策変更についても厳しい評価をしています。今回の日銀の動き、あるいは前財務省事務次官、経団連会長の直近の発言に見る、日本経済再凋落の兆候とは……。ぜひ、最後までお楽しみください!
『MAGNUM MAGNUM 増補改訂版』(青幻舎)刊行を機に (寄稿=港千尋・大森克己・小髙美穂) 8面
【今週の読物】
▽映画時評〈4月〉(伊藤洋司)(7)
◇連載=「ヌーヴェルヴァーグと政治」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉西澤保彦著『七回死んだ男』(成田夏響)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife⑪・ミシェル・フーコー(小林康夫)(7)
【今週の書評】
〈3面〉
▽中田考著『神論』(内藤正典)
▽高橋和夫著『なぜガザは戦場になるのか』 (伊高浩昭)
▽カレン・バラッド著『宇宙の途上で出会う』 (伊藤憲二)
〈4面〉
▽橋本政宣編『後陽成天皇』(櫻井 彦)
▽髙田知紀著『神と妖怪の防災学』(佐藤弘夫)
▽畠中茂朗著『明治日本のローカル・アントレプレナー』(原田 泰)
〈5面〉
▽加賀野井秀一著『感情的な日本語』(斎藤佑史)
▽村山由佳著『二人キリ』(上原尚子)
▽岩田美喜著『キャリル・チャーチル』(河野真太郎)
〈6面〉
▽切通理作著『ウルトラマン ニュージェネの証』 (樫原辰郎)
▽浜田哲二・浜田律子著『ずっと、ずっと帰りを待っていました』(増渕あさ子)
▽青木玲子・赤瀬美穂著『女性と図書館』(新屋朝貴)