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【What’s New!】週刊読書人2024年5月3日(4月26日合併)号

【What’s New!】週刊読書人2024年5月3日(4月26日合併)号

【特集】
小川 公代インタビュー(聞き手=堀川 夢)
魔女”たちの戦術と抵抗
『ゴシックと身体 想像力と解放の英文学』(松柏社)刊行を機に

【本紙イントロより】
 英文学者の小川公代さん(上智大学教授)が『ゴシックと身体 想像力と解放の英文学』(松柏社)を上梓した。「“ゴシック”の戦術」という視点から、イギリスのゴシック作家の作品を中心に読み解く本書。刊行を機にライターの堀川夢さんに聞き手をお願いし、小川さんにお話を伺った。(編集部)


 本号(3537号)は、ゴールデンウイーク合併号です。発売は4月26日ですが、表記は5月3日(お間違いないようご注意ください!)。そして、6・7面では「日本英文学会第96回全国大会」の開催を機に、「特集 英米文学/研究書のススメ」を掲載しています。こちらは読書人WEBの「お知らせ」にて、紙面を全面公開中です。

 さて、特集面となる1面では、『ゴシックと身体 想像力と解放の英文学』(松柏社)の刊行を機に、著者である小川公代さんのインタビューを掲載。聞き手はライターの堀川夢さんにお願いしました。小川さんの博論がベースとなっている本書は、「ゴシックの”戦術”」をキーワードに、アン・ラドクリフ、メアリ・ウルストンクラフト、ウィリアム・ゴドウィン、メアリ・シェリー、ロバート・マチューリン、エミリー・ブロンテ、シェリダン・レ・ファニュらの小説を読み解く一冊です。

 小川さんの著書である『ケアの倫理とエンパワメント』などを読まれたことのある方は、もしかしたらゴシック小説とケアの接続に疑問を覚えるかもしれません。ゴシック小説にケア的側面なんてあるの……?と不安に思った方、ぜひ!本書と記事を読んでいただければと思います。インタビューの中でも、小川さんはゴシック小説の「共感」に触れており、堀川さんは「第4章が最も『ケアの倫理』を感じた」とお話ししています。

 また、小川さんはインタビューの最後に、「〈魔女〉の視点を持つ書き手」についてお話ししています。〈魔女〉――家父長制の社会からはみ出したり、周縁化された人――の視点から物事を見て、そして書く。ただし、その際の書き方には「戦術」が必要です。バックラッシュに抵抗したオースティンやメアリ・シェリー、小川さんが実践する「〈魔女〉の戦術」とは? 先輩〈魔女〉である小川さんから、見習い〈魔女〉に向けたメッセージも要チェックです。見習い〈魔女〉のひとりとして、取材中も原稿作成中も私は大変エンパワメントされました。

 連休中にぜひ、お読みいただけますと幸いです。(N)


【特集】英米文学/研究書のススメ  6・7面

 二〇二四年五月四日(土)、五日(日)のゴールデンウィーク期間中に日本英文学会第九六回全国大会が東北大学川内北キャンパス(宮城県仙台市)で開催される。この全国大会開催を機に「英米文学/研究書のススメ」と題して各出版社お薦めの書籍を紹介する。
 また、本特集にあわせて、日本英文学会副会長の竹村はるみ氏(立命館大学教授)には「日本英文学会第九六回全国大会に寄せて」、そして本大会でシンポジウムや研究発表に参加する若手研究者には自身の研究テーマに関するエッセイを寄せてもらった。 (編集部)

 ★本サイト上に英米文学特集の特設ページもございます。

   【特設】英米文学/研究書のススメ 2024

【今週の読物】

▽著者から読者へ=『松本清張はよみがえる』(酒井信)(8)
◇連載=「映画作家のある種の夢」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉F著『真夜中乙女戦争』(和田 陽)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(8)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife⑬・山田せつ子(小林康夫)(8)

【今週の書評】

 〈2面〉
▽原田健一著『映像メディアの社会文化史』 (小暮修三)
▽鹿住輝之著『キルケゴールのキリスト論』 (鈴木祐丞)
▽岡野八代著『ケアの倫理』(菊地夏野)
 〈3面〉
▽木庭顕著『ポスト戦後日本の知的状況』 (稲葉振一郎)
▽須永恵美子・熊倉和歌子編著『イスラーム・デジタル人文学』(宮川 創)
▽小野寺功著/三浦衛編『聞書集 聖霊はまことの息吹』(末松裕基)
 〈4面〉
▽マシュー・ルベリー著『読めない人が「読む」世界』(冨山敦史)
▽角田燎著『陸軍将校たちの戦後史』(好井裕明)
▽長崎尚志著『人狩人』(古山裕樹)
 〈5面〉
▽佐藤正午著『冬に子供が生まれる』(川口則弘)
▽司修著『さようなら大江健三郎こんにちは』 (富岡幸一郎)
▽中島京子著『うらはぐさ風土記』(北條一浩)

Paper & Back number

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