耐え難いもの

囚人たちは何を語ったか

1970年代初頭、フランス監獄における「耐え難い」状況を囚人自身に語らせ、それを社会に伝えるため、監獄情報グループ(GIP)が結成された。ミシェル・フーコー、ジル・ドゥルーズ、ジャン・ジュネ、ピエール・ヴィダル=ナケ、ジャン=マリー・ドムナック、エレーヌ・シクスー、ジャック=アラン・ミレールら数々の哲学者や知識人も参加したこの集団は五つの冊子を発行した。本書はそのすべてを初邦訳。囚人の人権問題はもちろん、黒人運動、現代思想など、多分野にかかわる貴重な歴史的ドキュメント。


「GIP(監獄情報グループ)は

様々な監獄について囚人たちに代わって

語ることを任務としない。

それは反対に

囚人たちが自分自身について語ること

そして監獄で起きていることを語ること

その可能性を彼らに与えることを任務とする。」(本書より)

◎目次
はじめに(フィリップ・アルティエール)

『耐え難いもの』第1号――GIPは20の監獄で調査を行う
『耐え難いもの』第2号――GIP はモデル監獄、フルリー=メロジスで調査を行う
『耐え難いもの』第3号――ジョージ・ジャクソンの暗殺
最近の反乱で監獄から発出された権利要求書
『耐え難いもの』第4号――監獄の自殺(1972年)

遺贈される道具(フィリップ・アルティエール)
(複数の)歴史 / 言語の道具 / 長い時間

解説監獄における「耐え難いもの」(佐藤嘉幸)
1 監獄情報グループ(GIP)とは何か
2 『耐え難いもの』が扱った諸問題
著者 フィリップ・アルティエール
出版元 人文書院
頁数 388頁
発行日 2025-06
ISBN13 9784409031384
ISBN10 4409031384

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