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「謹啓 吹く風に冬将軍の訪れ間近なるを感じる今日このごろですが、ますますご清栄のことと存じます」 出版社で最も目立たない部署にいる馬締光也は、初恋の相手に恋文を書いている。 この恋文...
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高木兼寛を知っている人はどれくらいいるだろうか。高木は嘉永2年9月15日、宮崎県出身。日本近代史や文学が好きな方だったら、当時の帝国陸軍軍医の森鷗外に対して、海軍の軍医には高木兼寛という人物がいて、...
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『家庭用安心坑夫』という異質なタイトルに惹かれて手に取ってみたはいいが、初めから終わりまで「安心」できるような箇所は一つもなかった。「家庭」という言葉の暖かさもこの本には似合わないように感じた。そして...
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〈中絶がしてみたい〉 〈普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢です〉 本書の主人公である井沢釈華は、著者・市川沙央と同じく、難病であるミオチュブラー・ミオパチーを患っ...
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本書に出会ったのは、コロナ禍のときだった。外出もままならない中で、この本は筆者を京都へといざなってくれた。それもただの京都ではない。摩訶不思議で奇想天外、現実とファンタジーが入り混じった京都である。...
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2010年代以降、韓国文学の邦訳刊行の勢いはとどまることを知らない。本書は、本邦きっての韓国文学翻訳家である斎藤真理子氏による初の単著であり、日本の人々に差し出された韓国文学への手引き書である――と...
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- [週刊読書人]2023/09/15号
- 著者/編者: スティーヴン・キング
- 評者: 村山竣哉
もし何の前触れもなく、家族が、友人が、隣近所に住んでいる人や、面識がある知り合いの誰かが、「人ならざるもの」と化してしまったら……? 故郷のメイン州ジェルサーレムズ・ロット(ザ・ロット)に舞...
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こんなにも本に感情を揺さぶられ、涙を流したのは初めてだった。同時に、教室という狭く閉ざされた空間で、学生生活を送ることに息苦しさを感じていた、あの頃を思い出した。 本書は中学校の図書室を舞台...