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【What’s New!】週刊読書人2024年5月17日号

【What’s New!】週刊読書人2024年5月17日号

【特集】三宅 香帆インタビュー
読書史の大河ドラマを楽しむ
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)刊行を機に

【本紙イントロより】

 文芸評論家・三宅香帆さんの新刊『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)が話題になっている。学生の頃は本を読めていたのに、働き始めてから本が読めなくなった。そういう悩みを抱える社会人は、意外と多いのではないだろうか。本書は労働と読書の近代史から、「仕事と趣味が両立できない」理由に迫る。刊行を機に、三宅さんにお話を伺った。(編集部)


 今回のインタビューは、本書の全容を紹介しながら三宅さんの考えを伺う構成にしました。すでに本書を読まれた方は、三宅さんがどういうこと考えながら執筆されたのかを。未読の方は、本書がどういった内容なのか、記事を通して知っていただければと思います。

 さて、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』。本当に切実な悩みです。読みたくないわけではないし、むしろ本の世界に没頭できる読書の時間は唯一無二であると知っている。それなのに、働き始めてから本を読むことができない。スマホゲームはできる。YouTubeでショート動画を見ることもできる。それなのに、本が読めない。いったいどうして……。多くの社会人が直面している悩みではないでしょうか。発売1週間で10万部が決定する話題作となっていることからも、本書が扱っているテーマの注目度の高さが伺えます。

 働きながらでは読書ができない。その原因は現代の労働システムにあると、三宅さんは論じています。「全身全霊」での労働を求められ、余った時間にも「副業」という名の労働を推奨される。さらにひとり暮らしの場合、労働が終われば、炊事や掃除といった「生活」(≒ケア)もしなければなりません。それらがすべて終わって、ようやく趣味に時間を使うことができる。読書を楽しむ余裕や時間がほとんど残されていないのは、甘えでもなんでもなく事実です。

 そんな現状に対するカウンターとして、三宅さんは「半身」という言葉を用います。全身ではなく、半身で働ける社会が理想だ、と。「半身社会」は、読書文化を次世代に繫げていくためにも非常に重要な考え方になるはずです。何を犠牲にすることもなく、働きながら本を読める社会が一日でも早く実現しますように!(N)


【今週の読物】

▽映画時評〈5月〉(伊藤洋司)(7)
◇連載=「シャブロルが一貫して語り続けたこと」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉安部公房『死に急ぐ鯨たち』(三木綾華)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=百人一瞬 Crossover Moments In mylife番外篇・三島由紀夫(小林康夫)(7)

【今週の書評】

▽池田喬著『ハイデガーと現代現象学』(齋藤元紀)
▽内村博信著『政治と美学』(小林哲也)
▽古田徹也著『謝罪論』(石原明子)
 〈4面〉
▽伊達聖伸著『もうひとつのライシテ』(佐藤香寿実)
▽谷本雅之著『在来的発展と大都市』(高橋勅徳)
▽小正路淑泰著『田原春次と堺利彦農民労働学校』
 (黒川みどり)
 〈5面〉
▽コルム・トビーン著『マジシャン』(河原真也)
▽マリ=フィリップ・ジョンシュレー著『あなたの迷宮のなかへ』(堀江 栞)
▽郡司正勝稿/浅原恒男編著『芝居唄 全三巻』
 (児玉竜一)
 〈6面〉
▽楊駿驍・鄧剣・松本健太郎編『日中韓のゲーム文化論』(渡辺範明)
▽山野弘樹著『VTuberの哲学』(吉田健彦)
▽三宅玲子著『本屋のない人生なんて』(星野文月)

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